中野駅南口の歯医者 横山歯科診療所

横山歯科診療所

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虫歯治療

Decay

虫歯治療

虫歯の正体

私達の口の中には数百種類とも言われるさまざまな細菌がいます。特よく知られているのが主にミュータンス連鎖球菌と強い酸を出すラクトバチルスなどの複数の菌種からなるう蝕関連細菌と呼ばれる好気性菌(酸素を好む菌)です。
ミュータンス菌は歯の表面にプラーク(歯垢)の中に棲みついており、食べ物に含まれる糖分を材料にして酸を作ります。この酸によって歯の表面のエナメル質は溶かされ(脱灰と言います)穴が開いたのが虫歯です。言い換えればエナメル質表面のカルシウムやリンなどのミネラルがう蝕関連菌の産生した酸により溶かされた状態が虫歯なのです。
ところが、ごく初期の虫歯であれば唾液の中に含まれるリン酸やカルシウムなどのミネラルが歯に戻ることで(再石灰化と言います)健康な歯に戻せるのです。

まとめると私たちの歯の表面では、リン酸やカルシウムが溶け出す脱灰と唾液の中から補充される再石灰化が繰り返されている訳です。(脱灰 ⇔ 再石灰化)しかし脱灰の方が多かったり、唾液が少なく再石灰化が少なかったりすると修復できずに穴が空いて本格的な虫歯になります。

歯の再石灰化のサイクル


参考までに歯の石灰化を促す為にだ液をたくさん出すアドバイスを書いておきます。

だ液をたくさん出すアドバイス

① 口が渇いてだ液が少ないという人は口呼吸をしている可能性があります。できるだけ口をとじて鼻で呼吸する様な習慣をつけましょう。

② 間食が多いと再石灰化が追いつかない為ダラダラ食いはやめましょう。特に糖分の多いものを頻繁に食べたり飲んだりしていると危険です。歯の石灰化を促すシュガーレスガムもあるので唾液の分泌を促しながら歯の石灰化も期待できます。

③ 食事はよく噛む、人とよくしゃべるなどの習慣が無い人はだ液の量が少ない傾向があります。

④ だ液腺マッサージや体操でだ液の分泌を促します。耳の下の耳下腺、顎の骨の下の顎下腺、舌下腺を刺激することで出方が良くなります。

虫歯の進行と治療

虫歯の進行
虫歯の進行

CO

自覚症状は殆どありません。見かけ上は表面がやや白くなったり、黒い筋の様に見えることもありますが、穴は開いておらずこの状態であればすぐに削ったりせずにフッ素塗布やシーラント(溝を埋める)と適切なブラッシングや食事コントロールで治ります。

C1

歯の表面(エナメル質)に小さな穴ができました。穴があいてしまうと元に戻ることはありません。穴を埋める治療が必要です。虫歯の部分だけ削りレジンというプラスチックで詰めます。C1でも初期の場合C0と同様に経過をみることもあります。

C2

象牙質まで虫歯が進行してしまいました。あいた虫歯の穴の深さにもよりますが、冷たいものや甘いものがしみる症状が出てきます。早めに虫歯の部分をとってプラスチックや金属、あるいはセラミックのインレー(詰め物)で治しましょう。

C3

神経(歯髄)まで虫歯が進行したので熱いものがしみたり、夜ズキズキする痛みが出てきますし、神経が死んでしまうこともあります。ここまでくると神経の治療が必要になります。神経を取り中をきれいにして代わりのもので封鎖します。必要があれば土台を入れて被せます。

C4

歯冠部(歯の上の部分)は殆どなくなり、根の部分だけが残っている状態です。残せる可能性は低くなり抜歯の可能性も出てきます。また治せる場合でも大がかりな治療が必要で期間も長くかかります。

私達は自分で口の中を見ていて黒い点や小さな穴を見つけることがあり虫歯かな?と疑う瞬間ですが、まだ小さい穴に見えても実は中では意外に進行している場合があります。

出来るだけ神経(歯髄)を残す治療

虫歯が大きく神経(歯髄)近くまで進行していた場合、神経をとる治療法があります。痛みはすぐとれるかもしれませんが、将来を考えた時に確実に歯は脆くなってしまいます。神経は歯への栄養の補給を担っていますのでそれをとってしまうことは歯を欠けやすくし、変色を起こします。神経をとった歯はもう痛みを感じることはありませんが、これは逆にその後虫歯になっても痛みを感じることはないので、気づかないで進行していく危険があるということです。
植物に例えるとわかりやすいのですが、生きている枝はなかなか折れませんが、枯れ枝になると簡単に折ることができます。歯も同様です。

当院では止むを得ない場合以外は極力1回は神経を残す努力をしています。これは虫歯も元は細菌感染から起きているという考えから、極少量の3種類の抗生物質の軟膏を虫歯の面に作用させ、私たちが誰でも持ち合わせている身体の治癒力を後押しして治していく「病巣(虫歯)無菌化組織修復療法」という方法です。

病巣(虫歯)無菌化組織修復療法により神経を残すことができる可能性が出てきますし、何より歯を削る量が少なくなるのはメリットだと思います。

現代虫歯事情

油断は禁物、大人の虫歯

「虫歯というと子供がなるもの」というイメージがありますが、現在の子供の虫歯は大幅に減少しており、逆に大人の虫歯が30代から増加し始め、年齢と共に健康寿命の敵となります。それは大人の虫歯には子供とは異なる特徴があるからです。

① 歯根の露出
加齢や歯周病、そして強すぎる力でのブラッシング等を続けると歯肉は
退縮し、本来は歯肉の中にあるべき歯根が露出してきます。
歯冠は硬いエナメル質に覆われていますが、露出した歯根は象牙質といって酸に対して弱いため、虫歯になり易く進行も早いのが特徴です。

 

② 象牙質が厚くなり神経をかばい始める
大人は長年受けてきた刺激から内側にある神経を守ろうとします。
その為、子供より象牙質が厚くなり痛みを感じにくくなっています。という訳で虫歯になっても気づきにくく治療開始が遅れやすいのです。

 

③ 詰め物の周りも危険です(2次虫歯)
成人では治療の経験も多く、また長年の使用で1回治療した周りに隙間ができ再び虫歯になる2次カリエスが多くなっています。
これは大人虫歯の大半を占めています。
写真は金属の詰め物の下にあった2次カリエス(虫歯)の例です。

 

④ 唾液の減少
「虫歯の正体」で書いた様に口の中では食事の度にエナメル質を溶かす脱灰と唾液中のミネラルによって修復され、虫歯を防ぐ再石灰化が繰り返されています。ただ大人になると加齢や飲んでいる薬の影響で唾液が減少し再石灰化が思うようにいかなくなり、虫歯のリスクが高くなります。

虫歯の予防

ここまで虫歯について書いてきましたが、予防については以下の事に注意してください。

① 正しいブラッシングの実施

力の入れ過ぎや固すぎる歯ブラシの使用などそれぞれの方に合った方法を歯科衛生士や歯科医師に聞いてみるといいと思います。また歯ブラシ以外のケア用品もありますので相談してください。食後のブラッシングはできないという方もいるとは
思いますが、寝る前のブラッシングは必ず習慣にしましょう。

② 食べ方と食べ物に注意

ダラダラ食べやダラダラ飲みを続けているとその時間は脱灰が続き虫歯になり易くなります。

③ よく噛んで唾液の分泌を促しましょう。

④ 歯を強くするフッ化物

フッ素は人間の身体の中でも特に骨や歯を丈夫にするものです。私たちは毎日食べ物や飲み物からフッ化物を取り入れていますが、虫歯予防が出来る量には足りません。歯科医院でのフッ化物の塗布、フッ化物入り歯磨きなどの使用もいいと思います。

⑤ 定期的な検診を受けて虫歯の発見ができれば早期治療につながります。

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